月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

その他ドストエフスキー作品

ヴェルシーロフ『聖像真っ二つ』事件と『空想の愛』考

何のことかと言うと、『未成年』にて主人公アルカージイの実父、ヴェルシーロフが聖像をタイルに叩きつけて真っ二つにしたシーンのことである。 「わしはある医師を知っていたが、彼は父親の葬式に、だしぬけに口笛を吹きだした。たしかに、わしが今日葬式に…

『未成年』② マカール老人の『自殺者論』

ドストエフスキーの五大長編『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を一応一通り読み終えることができたわけだが、この5つの小説には必ずと言っていいほど自殺者ないし自殺未遂者が登場する。他のドストエフスキー作品は読んだことがな…

ドストエフスキー『未成年』①

「ついにやり遂げたよ!」(by神秘的な客)というわけで、一度は挫折して放置していた『未成年』をようやく通読したので、それに関する記事を書いていきたい。これで一応ドストエフスキーの五大長編はすべて読んだことになる。『カラマーゾフの兄弟」→『罪…