月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

手帳術の罠

私はいろいろな手帳やノートを使い、挫折してきた。手帳術やノート術の本を見つけて読み漁りもした。一時期本棚がその手の本で埋まったこともあった。その結果たどり着いた結論がある。

それは『万人に合う手帳術やノート術は存在しない』ということだ。

まあ、当たり前と言えば当たり前なのだけれど……。

例えば巷で人気がある、時間軸のあるバーチカルタイプの手帳。営業職や時間単位でアポや予定が入っている人向けと言われていたが、忙しい日々の時間管理やライフログをつけるのも役立つ。実際手帳術の本でもバーチカルタイプを使っての時間管理やライフログをつけることを推奨しているものも多く、またその手帳を使ったことによる成功体験やこんな風に使ってますという実際の手帳のページが載っていたりもする。自分もこんな風にやればうまくいくのではないかという淡い期待がふつふつとこみあげてくる。

だが著者が推奨する手帳術が自分に合うかどうかはまた別の話だ。私は時間管理をするほどの予定がなく、尚且つ周りの状況に振りまわされるような仕事なので、バーチカルで仕事の段取りや予定を組み立ててもすぐに崩壊する。また、ライフログをつけようにも単調な毎日しか送っていないので、ログの書き甲斐がなく、更にあの時間軸の中にちょこちょこ書くのが苦手だ。ということでバーチカルタイプ自体が私に合っておらず、バーチカル手帳を使った時間管理やライフログも合わなかった。

ノート術で言えば、例えばバレットジャーナルも人気があるが、ネットを見ると挫折者も多い。SNSでにあるような凝ったフォーマットを書くのが無理! という意見に対しては「いやもっとバレットジャーナルってシンプルなものだから」と反論できるが、その本家本元のシンプルなバレットジャーナルも合わない人もちらほらいる。私はバレットジャーナルの要素を今の手帳で取り入れているものの、どちらかといえば挫折組に近い。私の場合は「タスクややりたいことの先送りが多い」点が挫折の大きな原因だった。

SNSやyoutube、雑誌の手帳術やノート術特集を見ていると「自分もこんな風に手帳やノートを使ってみたい」と思う気持ちが湧いてくる。しかしそれが自分に合っているかどうかは別問題だ。何故ならその人と自分では職業も年齢もライフスタイルも性格もこれまで歩んできた人生も違うからだ。「○○さんみたい手帳やノートを使ってみたい」という憧憬、模倣したいという欲求、それが上手くいく場合もあるがたいていは失敗する。たとえるなら美容院で有名なアイドルと同じ髪型にしてくださいと頼んでも、そのアイドルのような容貌になれないのと同じだ。

ではどうすればいいのか、というと、これはもう自分に合った書き方・使い方を模索していくしかないだろう。最初は既存の手帳術の模倣であっても、最終的に自分に合った手帳術やノート術を確立していくのだ。『手帳術』『ノート術』と呼ぶにはお粗末なものかもしれない。複数の手帳術を取り入れた結果、自分のオリジナルとは言い難いものが出来上がるかもしれない。ムック本等で推奨されているやり方とは全然違うかもしれない。しかし手帳もノートも『どんな使い方をしようと自由』だ。バーチカルの手帳に時間軸を無視して俳句日記みたいなものを書いたっていい。それも『自分に合った使い方』であり、それ以上に最良なものはないと思う。あくまで印象であって統計を取ったわけではないのだが、長らく――何年も手帳やノートが続いている人というのは、この『自分なりの手帳術・ノート術』が確立している人が多いという印象がある。

と、手帳を何度も挫折している人間が偉そうにグダグダ書いてしまったが、まあ、ただの暇人の戯言だと思ってください。