月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

泥努の意図

昭和7年5月15日、首相暗殺犯を追って部下を率い、双亡亭に突入した残花少尉は、部下もろとも泥努が描いた「絵」に引き込まれる。部下たちは全員乗っ取られてしまい、残花少尉も絵からは脱出したものの全身の皮膚を失うという大怪我を負った。泥努は残花少尉を絵に引き込む際に「ざんちゃあん…」(第八巻)と不気味な笑みを浮かべた。その理由を問いただす為に残花少尉は霊水を生み出す白髪の巫女、帰黒を相棒として双亡亭に再突入した。

泥努が「嗤った」理由については物語終盤で明らかになる。泥努(由太郎)は幼い頃、残花少尉から「おれと由ちゃんとで二人で、龍宮城に行ったらええんじゃ」(第二十三巻)と言われたことを覚えていた。彼の笑顔は幼馴染を貶める「嘲笑」ではなく、再会できたこと、そして何より約束通り龍宮城へ行けることへの「喜び」によるものだったのだ。

しかしここである疑問が浮かぶ。それが前述した「何故泥努は絵から脱出した残花少尉を連れ戻さなかったのか」である。

何故この疑問を持ったかというと7巻で力を使い果たしたフロルをおんぶして双亡亭の外に出ようとした凧葉を、泥努は彼に貸した「黒い腕」を使って連れ戻したからだ。凧葉は絵に引き込まれた時に泥努と出会い、絵描き同士で意気投合た。泥努は自分のもとを去ろうとする凧葉に「もしお前が帰ってこられたたら…私と絵の話をするのだ…」(第三巻)と凧葉に約束させた。この約束を凧葉に果たさせるために、泥努は彼を連れ戻したのである。怖いわ。

一方、絵から脱出した残花少尉については、泥努は連れ戻そうとした気配がない。絵から脱出した残花少尉は、血まみれになって朦朧としたまま屋敷の外へ出た。
前述したとおり、泥努は残花少尉との「約束」を覚えており、彼に「約束」を果たさせるために絵の中に引き込んだ。何故凧葉のことは連れ戻して、残花少尉はそうしなかったのか。

いくつか仮説を立ててみようと思う。

仮説①笑った理由自体が後付け

泥努が笑った理由と龍宮城の話については「唐突」だという意見もちらほら見かける。私も最初読んだとこは唐突感が拭えなかった。何故なら泥努は二十二巻まで残花少尉のことを気にも留めておらず、彼に対する執着も言及されていなかったからだ。応尽から「お気に入りの人間」(第ニ十巻)と言及された人物も、凧葉と紅の名前は出ても残花少尉は出てこない。更に泥努と紅や凧葉との交流はしっかり描いてはいるものの残花少尉との関係の掘り下げはあまりされてないし、取られている尺も短い。「後付け設定だから」と考えるのは自然だろう。しかしこれは作者自身が言及しない限りわからないことなので推測の域を出ない。

仮説②残花少尉に対して興味を失った

泥努と再会した時点では、残花少尉は幼い頃の「約束」を覚えていなかった。絵の中で幼い頃のトラウマ(由太郎が姉を絞殺するのを目撃した)を見せられた少尉は『侵略者』に乗っ取られかける。が、謎の「声」によって正気を取り戻し、彼の怒りは嗤いながら自身を『絵』の中へと引き込んだ幼馴染へと向けられた「何故己を嗤った、坂巻ィ~~!!」(第八巻)と自身の身体に入りこんだ『侵略者』を皮膚や肉ごと引き抜く様は何とも壮絶な絵である。(よく生きていたよなあ…)残花少尉は泥努に対して「怒り」と「憎しみ」の「色」を宿すようになり、残された左目も黒く塗りつぶされた。
泥努は「うらしまたろう」の歌を歌っても何も思い出さず、怒りに銃口を向ける少尉に対して「短絡ですぐ怒気を表す完全な兵隊に落ちぶれた」(第二十三巻)と評している。泥努にしてみてば最早自分が好きだった幼馴染はおらず、目の前にいるのは「名も無き兵隊」(同)と映ったのかもしれない。だからこそ、モデルとして攫ってきた刀巫覡の紅から残花少尉が双亡亭にいることを聞いた時も、「ふーん、<双亡亭>にいるのか…」(第十二巻)さほど興味なさげな反応だったとも考えられる。

と、2つの仮説を立てたところで記事を終えてもいいのだが、もう一つ考えられるか説がある。

仮説③残花少尉が双亡亭に戻ってくることを確信していた

紅の弟である緑朗は霊体となった際、泥努の体内に匿われた。その際に泥努の体内で出会ったのが老人となった泥努であった。彼は緑朗に昔「友だち」と話したという「うらしまたろう」の話をする。龍宮城に行った浦島太郎が帰ってきたときに何百年も経過しており、玉手箱を開けた際に老人になってしまった結末を、老いてなお美しい龍宮城を描くことができないことになぞらえて「なんという恐ろしい話なのだ…」(第二十三巻)と震えながら泣く老泥努。しかし彼は不意に泣くのをやめる。

「友だちが来てくれるんだ」
「え?」
「友だちが一緒に龍宮城に行ってくれるんだ
 なんにも、こわくない…」(第二十三巻)

たとえ龍宮城に行って何百年経って白髪の老人になっても友達が一緒なら怖くない。老泥努は笑顔になり、「ああ、早く二人で行きたいなあ…龍宮城に」(同)と若返っていく。何とも物悲しく、そして重い。だが特筆すべき点はもう一つある。
それは老泥努が「友だち(つまり、残花少尉)」が「一緒に龍宮城に行ってくれる」ことを微塵も疑っていないことである。

「約束を忘れているかもしれない」とか「彼は来ないのかもしれない」とか普通は考えるものだが、老泥努の台詞は「一緒に龍宮城に行ってくれるんだ」と断定調であり、彼にとっては「友だち」と二人で龍宮城に行くことは最早既定路線となっている。

この老泥努の台詞を踏まえると、泥努は絵から脱出した残花少尉が必ずこの双亡亭=龍宮城に戻って来る、幼い頃の約束を果たすと思っていた、いや、確信していからこそ、敢えて連れ戻そうとしなかったのではないだろうか。幼い頃、いじめられた時はいつも助けてくれた「残ちゃん」、自分との時間を「心の安らぎ」としてゆるぎない友情を向けてくれた「残ちゃん」、姉を絞め殺した時に恐怖で逃げ帰っても自分のことを心配する「色」を発していた「残ちゃん」…世界を「醜悪」だと蔑む泥努にとって、「残ちゃん」は姉のしのぶと同様に信じられる存在だったと考えられるのだ。結局再会には90年近くかかることになったのだが、その原因も泥努が「時の廊下」を繋いだからであり、その「時の廊下」は「泥努の「想い」の強い時間から今に繋がっている」(第二十五巻)とのことである。どっちにしろ重いなオイ

と、今回は久々に双亡亭考察、という名の泥努と残花少尉の関係についての考察をしてみた。凧葉や紅との関係とはまた違った幼馴染同士の関係性はなかなか興味深いものがあり、読み返すといろいろ発見がある。頻度は以前より減ると思うが、これからもちょくちょくやっていきたい。

それはそうと公式ガイドブックマダー?

バーチカル手帳と仲良くする方法

トラベラーズノートレギュラーサイズ(以下TNR)のキャメルを使い始めてかれこれ1カ月半が経った。
TNRキャメルは仕事へ行くときも休みの日に外出する時も常に持ち歩いている。既に使っているパスポートサイズ(以下TNP)ブラウンとはセットである。
前回の記事でも少し触れたが、リフィルが変わった。クラフトファイル+セクション(方眼)というシンプル構成で行くつもりだったが、先月中旬から新たに週間バーチカルを導入した。(TNRのみにあり、TNPにはない)
バーチカル手帳は縦に時間軸があり、TNRの場合は7時~23時まで書くことができる。人によっては24時間必要な人もいるが、私の場合はこのくらいで充分だった。

さて、私がバーチカル手帳に何を書いているかというと、週単位の予定とタスクである。といっても私には予定があんまりない。決まった時間に仕事に行って決まった時間に終わるという感じだ。ならばバーチカルを使う意味があまりないように思える。しかし実際に使ってみると結構使い心地がいいことに気が付いた。

①日時が決まっているスケジュールや予定を書く

これはバーチカル手帳の使い方としては当たり前なので、今更何を?と思われるかもしれない。しかしバーチカル手帳と仲良くするためにはこれを書いた方がいいのだ。
「んな予定なんてないよ!」という人は仕事のシフトを書いてみるといいだろう。シフト制ならばともかく固定されているんだから書く必要は無いだろうと思われるかもしれないが、実はそうでもない。というのも仕事をしていれば、特に会社勤めの人はその間強制的に拘束されるからである。例えば私の場合は週に5日9-17時半の間は常に拘束されている。この時間を書き込むことで「自分が1日のうちどの時間帯が空いているのか」を把握することが可能なのだし、頭で覚えていなくても手帳が覚えてくれているのだ。

②気になるイベントの時間を書く

例えば推しアイドルや気になるチャンネルのインスタやYouTubeライブ配信。見たいテレビ番組の時間、こういうのを書いておくのもありである。(もっともライブ配信は動画でアーカイブ残っていることが多いので見るだけなら必要ないかもしれないが)

③自宅を出る時間を書く

仕事、病院、習い事、旅行…ととにかく「決まった予定やスケジュール」があって外出するときは、自宅を何時何分に出るかというのをバーチカルに書いておいた方がいい。この〇時〇分に出る、というのが目安となり、外出までにどの程度時間があるか、何分までに準備をした方がいいのか、というのがおのずと導き出されるからだ。そうすれば遅刻ギリギリで家を出るなんてこともある程度防ぐことが可能になる。これを頭の中だけで考えていると「まだ大丈夫」となって結局ぎりぎりになったり遅刻したりしてしまう。

④行動ログを書く

私は予定を立てるということが苦手である。あらかじめ決まった予定でなければ例えば「○○へ行く」など当日の朝「そうだ!行こう!」と思うことが多々ある。部屋の片づけやブログの更新などもそうだ。思い立った時にやる。行き当たりばったりと言えばその通りである(開き直り)。そもそも予定に書きこんだところで先延ばしにする癖がどうにもあるし予定外のことも起きたり突然体調不良になったりもするので、立てた予定がその通りになることはあまりないのだ。
だからこそ、赤ペンで「実際にやったこと」を書いていくのである。例えば〇時から〇時までブログの執筆、〇時から〇時までカフェで手帳タイムをしていた、などである。また予定外の残業や早退の時に赤で書いておくと「この日は丸時間残業した」「この日は早く帰った」と書いておくことでちょっとした日記にもなる。

バーチカル手帳での時間管理には憧れがある。整然と書かれた手帳で時間管理をし、自身の時間を捻出する。そんな使い方にあこがれては挫折してきた。だからバーチカル手帳は自分には向いてない、と。

しかし敢えて言いたい。

あんなものは真似しなくていい。
手帳の前ではかっこつけなくていい。
かっこ悪い使い方で何が悪い。
それが自分らしい手帳の使い方だ。

などと偉そうなことを言って今日の記事を終える。

 

日記、やめてみた

トラベラーズノートのパスポートサイズ(以下TNP)には3冊のリフィルが入っていた。

デイリーログとして使うセクション(方眼)
マンスリーとして使うNOLTYライツマンスリー
そして日記として使っていた週間リフィルの3種類だ。

しかし今回この3種類のうち、週間リフィルはTNPから抜き、2冊体制にすることにした。つまりデイリーログとマンスリー手帳になる。

では日記はどうするのか?

答えは「やめる」である。

やめる理由①愚痴しか書いてない

そもそも週間リフィルが日記になった理由は昨年交通事故に遭って入院したからである。元々はバレットジャーナルのウィークリーログとして使っていた週間リフィルを入院リハビリ日記に変更した。正直何もやることが無いような入院生活の中でこの日記を書くのがささやかな楽しみではあった。起き上がることすらままならなかったのが徐々にできることが増え、怪我が回復に向かうのが嬉しかった。読み返すと「ああこんなことあったなあ」と振り返れる。

だが怪我が治ってからは書くことが途端に無くなってしまった。

日々の出来事というよりは単なる愚痴ばかりになり、読み返しても大して面白くない。日記を「とりあえず書いている」だけのようになってしまったし、だんだん書くのが億劫になっていった。

やめる理由②現在も未来も過ぎれば過去になる

私は日記以外にもノートや手帳を書いている。TNPのセクションは1日1ページのデイリーログとして書いているし、ライツマンスリーやレギュラーサイズ(以下TNR)のバーチカルには先々の予定やイベント、タスクを書いている。そして「ログ」として赤で「○○に行った」「××をした」「あんなことがあった」「こんなことがあった」「あれを食べた」ということを簡潔に書いたりもしている。これを後から読み返したら充分な「日記」になる。

更に頭の中にあることは家にいる時はMDノートA5サイズ、外ではTNRのセクションに書いている。MDノートにはレシートやチラシ、半券なんかも貼っている。これらを読み返すことも「日記」の代わりになるのだ(もちろん日付を書いておくことが必須だが)。

こうしてわざわざ「日記」としてのノートや手帳を作る必要性が無いと気づいたのである。

やめる理由③書くものが多いと苦痛になる

私の手帳とノートの使い方は基本的には「複数使い」になる。TNP、TNR、MDノート、ロルバーンダイアリーと計4冊の手帳とノートを使っている。TNPやTNRはそれぞれ複数のノートを挟んでいる為、正確には+2冊の計6冊の手帳とノートを使っていることになる。ここに日記を含めたら7冊。はっきり言う。キャパオーバーである。

SNSYouTubeでは10冊以上のノートや手帳を使い分けている人がいるが、私にはとてもじゃないがあんな真似は出来ない。書く項目が多すぎると混乱する。

やめる理由④3冊挟むのがきつくなった

③と被るが、私はセクション、ライツマンスリー、週間リフィルの計3冊をTNPに挟んでいた。しかし3冊だと手帳自体が分厚く重くなるし、何より書きづらい。以前は3冊挟んでいても平気だったのだが、最近どうにもきつくなってしまった。挟むリフィルは2冊ぐらいが丁度よかったのである。

というわけで日記を書くのをやめることにした。いや、やめるというよりも「休む」と言ったほうが正しい。何故ならまた日記を書きたくなることがあるかもしれないからだ。ただ、今は日記を書くことを「休む」ことにする。また書きたくなる、その日まで。

【トラベラーズノート】レギュラーサイズも買ってしまった

明けましておめでとうございます。
今年も当ブログを宜しくお願いいたします。

新年あけてもう1か月経とうとしている。そして私がトラベラーズノートパスポートサイズ(以下TNP)のブラウンを買ってから早7カ月。ほぼ毎日持ち歩いており、私の手帳ライフにはなくてはならない存在となった。
後にブルーも買った。ブルーは今のところ、使い終えたリフィルの補完場所となっている。もう少しいい活用法を考えたい。

というわけで、値上がりもしたことだし、トラベラーズノートに関してはもう買わない、ブラウンやブルーを長く使っていくんだ…と思っていたのだが…

 

キャメル君

そう、実は買ってしまったのである

トラベラーズノートレギュラーサイズ(以下TNR)。色はキャメルである。

レギュラーサイズを購入した理由

実を言うとレギュラーサイズの購入予定はなかった。
レギュラーサイズはA4サイズを3分の1にしたA5スリムサイズである。過去にほぼ日weeksやMDノート文庫本サイズと言ったスリムサイズのノートや手帳を使いこなせたためしがなく、このA5スリムサイズも自分には合わないと倦厭していた。また、ノートとしては現在も使っているMDノートのA5サイズに書くことが集約されており、レギュラーサイズを買っても使わないだろう、と思っていた。

しかし今回、レギュラーサイズの購入に踏み切った。

理由は…かっこよかったからだ!

…いや、冗談です(半分本当)。

真面目なことを言うとMDノートが完全に言え置き様用になったからである。
何気にA5サイズは嵩張る。そして全176ページあるノートは重い。私は書くだけではなく貼ったりもしているので尚重くなる。つまり鞄に入れて持ち歩くには少々手狭になってきたのだ。また出先で毎回ノートを開くとは限らず、1日もノートを開かない日もざらだった。

というわけで持ち歩いているのはもっぱらTNPのみになったのだが、これもまた問題が発生した。

小さい。

私はTNPに3冊の手帳とノートを挟んでいる。そのうちの1冊がバレットジャーナルのデイリーログとして使っているセクション(方眼)である。そしてページの後ろ側からメモを書いている。
しかしノート自体が小さいため、さっと取り出してメモをする分には問題ないが、椅子に坐ってじっくり書いたり大量に書きなぐるのには不向きなのだ。これではリフィルもすぐに使い来てしまう。かといってMDノートを鞄に入れて持ち歩くのは重いし嵩張る。書かない日もあるのに毎日持ち歩いても仕方がない。

そこでレギュラーサイズを買うことになったのである。

レギュラーサイズの役割

TNRは言わば「出先で使う用のノート」である。カフェや図書館、或いは旅行先のホテルなどで書く。書いても書かなくても外出するときには持ち歩く。そんなノートだ。逆に言えば家では使わない。家で使うのはもっぱらMDノートだからだ。
何故それがTNRなのか。それは…かっこいいからだ!
いや、かっこいいしどうせなら気に行ったものを使いたいよねっていうのもあるんだけど、それだけではない。
サイズ的には(よほど中に詰め込まない限り)MDノートより嵩張らないからだ。

先述したとおり、レギュラーサイズはA5スリムサイズである。狭いのでは、と思ったのだが、ノートを実際に広げてみると紙面が結構広い。パスポートサイズよりうんと広い。見開きでA5サイズよりも広くなる。これならばじっくりガシガシ書くことができる。パスポートサイズなら2ページぐらい使うメモがレギュラーサイズなら1ページも使わない。ノートを「ノート」として使うのならば伸び伸びと使いたい派なので、これは嬉しい。
中に入れているリフィルはクラフトファイルとセクション(方眼)のみである。連結バンドを使えば3冊ぐらい挟めるのだが、持ち歩くのであればそんなに冊数がいらないし、分厚くなると書きにくくなる。リフィルを使い終えたら差し替えるだけでいい。革は長く使える。

それぞれの役割をガシェットに例えると、

  • TNP→スマホ(いつでもどこでも持ち歩く)
  • TNR→タブレット(外で使う)
  • MDノート→PC(家で使う。母艦)

という感じである。

というわけでトラベラーズノートが3冊に増えた。
ただそんなにポンポン買える値段ではないのでこれ以上増えることはない…ハズ。

ブルー、お休みになる

前回の記事でトラベラーズノートパスポートサイズ(以下トラベラーズノート)のブルーを購入したという記事を書いた。

しかしそのブルーが買って1か月も経たないうちにお休みになってしまうという事態が発生した。

一体何が起こったというのか――

1,メモリフィル迷走

元々持っていたトラベラーズノートは半年前に購入したブラウンのみであった。ジッパーケース、クラフトファイル、方眼ノート、見開き一週間のダイアリーの4種類入れていた。そこへ最近になってNOLTYのライツマンスリーが加わった。方眼ノートは1日1ページのバレットジャーナル、ライツマンスリーは予定管理、週間ダイアリーは日記として使っていた。しかしこれではメモをどこに書くかという問題が発生し、また使っていない無地のノート(トラベラーズノート本体購入時についているオプション)を使いたかった。そこで新たにブルーを購入し、週間リフィルをブルーにセットして、無地リフィルをメモリフィルとして新たにブラウンにセットした。

しかし…個人的には無地より方眼使いたい。

純正リフィルの紙質は何も問題ない。だが無地だと文章を書いたときに真っ直ぐかけなかったり線を引きづらかったりする。そもそも一時的なメモなのだからそんなものは大した問題ではない、と言い聞かせていたのだが、やはり方眼使いたい欲が出た。
そこで無印のパスポートメモの方眼タイプを使うことにした。目に優しいクリーム色の小さな方眼ノートはパスポートサイズにぴったりだった。だかここで一つ問題が発生する。

万年筆だと裏ぬけしてしまうのだ。

私はトラベラーズノートに挿すペンとしてPILOTのライティブという万年筆を使っているのだが、このインクがパスポートメモの紙と相性が悪かった。にじむし裏ぬけする。SARASAなどのゲルインクボールペンでは何も問題なかったため、ペンを変えるかと考えた。しかし個人的には万年筆を使いたかった。

ということでメモリフィルが迷走することになったのである。

2、メモリフィル不要論

無地はしっくりこず、無印のパスポートメモは裏ぬけする。ならば純正リフィルから選ぶほかない。ドット方眼か罫線、無地のMD用紙に軽量紙…とリフィル自体は豊富だ。しかし私としてはやはり方眼を使いたい。ドット方眼はなんか苦手なのだ。ならば方眼リフィルを2冊使うか?だが見た目が同じでは中身をめくらないと何の用とか判別しづらい。どうするか…

と考えたところ、私は一つの結論に達した。

メモリフィル、いらんのでは?

というのも実は外でノートやメモを書く機会が実はほとんどない。短いメモならば1日1ページのデイリーログで事足りる。

とはいえたまにメモが必要になる時もある。頭の中に浮かんだアイディアや、自分が知っておきたい知識などを書きとめることもある。それは流石に1日1ページでは足りない。かといって1日2ページにしてしまうと使わなかった日が勿体ない。

ではどうするか。

そこで私が考えたのが「長めのメモは後ろのページから書いていけばいいじゃないか」である。

方眼リフィルのページは64ページ。1日1ページならば2カ月で終る。しかし何も2カ月きっちりで終らせる必要は無い。何故ならバレットジャーナルのデイリーログだからだ。であれば長めのメモ、まとまったメモは後ろのページから書いていけばいい。そしてデイリーログのページとメモのページがバッティングしたところでノートを交換すればいい。

こうしてメモはどこに書くのか問題はひとまずの決着を見せたのである。

3,やっぱりまとめたほうがいいよね

メモ問題は解決した。ではブルーに挟んでいた週間リフィルはどうするか。日記なのでわざわざ持ち歩く必要性もない。
だが持ち歩く利点がある。それは隙間時間を使って書けるという点だ。

例えば帰宅中の電車の中。ラッシュ時ならともかくとして比較的空いていれば座席に座って日記を書くことが可能だ。見開き一週間、サイズも小さいので割とすぐ書くことができる。忙しくて日記を書く暇が取れない、帰ってすぐ寝ないといけないので日記を書く時間が勿体ないという場合には持ち歩いて出先で書いた方が楽なのだ。

というわけで日記として使う週間リフィルは持ち歩きのブラウンに戻ることになった。

ということでブルーは買ってそうそう役割を失い、お休みすることになってしまった。
しかし例えばリフィルをブルーに付け替えることも可能だし、トラベラーズノートはノート以外の使い方もできる(財布とか)。或いはどこか旅行に出かけた時も載っている『旅ノート』として使うのもありかもしれない。ブルーは役目がまた訪れるまでお休みだが、買ったことは後悔していない。なんせ見た目がかっこいい。それだけでもこの手帳は価値がある。

これでいいのだ。

 

TNPもう一冊増える

さて、前回の記事で来年の手帳について書いたのだが、実を言うとその後もう一冊手帳が増えた。
それがこれである。

増えました

そう、トラベラーズノートパスポートサイズ(以下TNP)がもう1冊増えたのである。左側が元々持っていたブラウン、右が新たに仲間入りしたブルーである。

物欲に負けた?それはその通りであるが、実はもう一冊増やしたのには理由がある。

1.ブラウンの中身を変えたかった

前回の記事でこのTNPブラウンについて「自分の過去現在未来のすべてを詰め込んだ手帳」とどや顔で書いたわけだが、一つ問題が発生してしまった。

メモはどうするんだ?

ブラウンに入れていたリフィルは方眼ノート、NOLTYライツマンスリー、週間リフィルの三冊である。方眼リフィルは1日1ページのバレット―ジャーナルとして使う運用に決めた。しかしこうなると何か思いついたときに書きなぐるメモをどうするのかという問題が発生するのである。以前ならばまとまったメモはMDノートに書いていたのだが、そのMDノートを持ち歩かなくなり、なるべく出先に持ち歩く手帳はTNP1冊に済ませたかった。ライツマンスリーのフリースペースを使う、方眼を1日2ページにして右側のページを雑記メモにする、といろいろ考えたのだが、ライツマンスリーのノートページは一週間単位のハビットトラッカーやフューチャーログ、すぐには行わない買い物リストや翌日以降やるタスクの付箋を貼っておくスペースとなった。方眼ノートを1日2ページにすると書かなかった日が無駄になる。ということで苦渋の選択として購入時に付属していた無地リフィルを3冊目として装着し、週間リフィルを外すことにした。

2.週間リフィルをどうするか問題

さて、無地と交代になった週間リフィルなのだが、日記をこれで書くことは変わりない。正直ノートとして独立しているのでそのまま保管していても何も問題はない。しかし…気分的に何やら裸のまま放置しているような気がしたし何より物足りなさを感じていた。
そこで私は週間リフィル一冊のみを挟み込むために新たにブルーを迎えることになったのである。
半年近く使ったブラウンは三冊のリフィルを挟んでいるのだが、一冊のみを挟むのもなかなかいいものである。何より見た目がかっこいい。ただ基本家置きなのであまり革は育たないだろう。

3.気分によって中身も外側も変えられる

トラベラーズノートの人気の秘密はそのカスタマイズ性にある。サイズさえ合えば好きに中身のノートや手帳を入れ替えることができるのだ。そして革は壊れない限りは長く使える。ということはファッションを変えるように中身を抜いて外側を変えることも可能になる。今はブラウンを主に使っているが、ブルーを使いたいときは中身をごっそり入れ替えればいい。「ブルーを育てたい」と思ったら中身を入れ替えて持ち歩くこともできるのである。

正直トラベラーズノートは1冊のみで充分だと思っていた。しかし使えば使うほどその魅力のとりこになっていく自分がいた。何ならサイズ的に苦手だなと思っていたレギュラーサイズも今欲しくなっている。綴じノートとシステム手帳の中間のような使い心地のトラベラーズノート、来年の手帳をまだ決めかねている人、一度は使ってみることをお勧めしたい。

2023年手帳会議(多分決定)

今年もあと1か月で終る
ということで今回の記事は来年の手帳・ノートはこれだ!と手帳会議を開きたいと思う。
今のところ来年使う手帳・ノートは以下の4冊である

  • MDノートA5サイズ方眼
  • トラベラーズノートパスポートサイズ
  • ロルバーンダイアリーMサイズ
  • NOLTYポケットカジュアル(週間レフト)

これら4冊の手帳とノートをどう使っていくか、一つ一つ見ていきたいと思う。

 

MDノートA5サイズ方眼

基本的に使い方は変わらず、頭に思い浮かんだことを書きだしたり、これいいなっていう情報を書きとめておいたり、レシートとか何か紙物を貼ったりする、いわば雑記帳でである。そして月の始めには起床時間と就寝時間の記録をつけたりもしている。いろんなノートに目移りしたがやはりこのノートがいちばん使いやすい。ちなみに外出する頻度が減り持ち歩くことがほとんどなくなり、もっぱら家に置いている。

トラベラーズノートパスポートサイズ(以下TNP)

6月末から使い始めて5カ月ほどたったTNP。革はだいぶ変化しており、手触りもよくなってきた。ただ傷だらけなので手入れはしたいと思う。
このTNPは持ち歩き手帳として使うことにした。それにあたって結構中身もバージョンアップした。

挟むリフィルは3冊。方眼ノートとウィークリー、そしてもう一冊がNOLTYのライツマンスリー(小型版)である。
純正のリフィルを使わなかった理由は最寄りの文具店で売り切れていたというのもあるが、このライツマンスリーがTNPにぴったり合ったからである。というかTNPはB7サイズの小さなノートや手帳なら挟める。しかも普通のパスポートサイズリフィルよりも横幅狭いため、真ん中に挟めば3冊挟んでも飛び出ることはないし、ライツマンスリーにはペンホルダーが最初からついてる。つまりこれを挟めばわざわざペンホルダーをつける必要がないのだ。

さて、それぞれの役割なのだが、

  • 方眼ノート→1日1ページのデイリーログ
  • ライツマンスリー→予定管理
  • ウィークリー→日記 

先ず方眼ノートなのだが、使い方のヒントとなったのが、今年使っていたほぼ日手帳オリジナルである。ほぼ日手帳のデイリーページには時間目盛りがついている。これで一日の予定を管理することができる。
方眼ノートには時間目盛りは当然ついていない。ならばどうするか?書くのである。1マス1時間として必要な分の時間軸をページの左側に書き、その日の何時に予定があるかを書き込んでいく。ページの右側はバレットジャーナルのデイリーログとして使う。タスクもメモも出来事も箇条書きで書きこんでいくのだ。64ページあるのでだいたい2か月ぐらいで1冊使い切る計算になる。いつからでも始められるし、日付はもともと内ので書かない日があっても気にならないし、ほぼ日オリジナルよりスペースが小さいので空白が苦痛になることもない。

次にライツマンスリー。これは予定管理とカレンダーとして使う。デジタルで管理することも考えたが自分はやっぱりアナログ派だなあということでこっちになった。

最後にウィークリー。これは日記である。書くスペース自体は小さくなったが、これはこれでいい。昔みたいに何ページも描くことが無くなったため、これで充分になった。

ということでTNPは大仰な表現をすれば「自分の過去現在未来すべてが詰まった手帳」になった。3冊挟んだため分厚くなったが分厚いのは大好物なのでこれでいい(?)

ロルバーンダイアリーMサイズ

来年も使われるロルバーンダイアリーMサイズ。これは仕事用のバレットジャーナル手帳として引き続き使う。マンスリーページは仕事の予定とか締め切りを書き、バレットジャーナルとして使うのはたっぷりあるノートページである。
ただし1日1ページとして使う場合、ノートはまず1年持たない。半年ぐらいでノートを交換する必要がある。では普通のMサイズを使えばいいのでは?と思わるかもしれないが、何故か普通のMサイズのロルバーンだとうまくいかないのである。多分カレンダーがなかったりクリアポケットの枚数が少ない分薄くなるせいかもしれない。薄いノートよりも厚みのあるノートの方が好きなのである。

NOLTYポケットカジュアル

これは自分用の業務日誌であり仕事日記として使う。週間レフトタイプを選んだ理由としては、左側にその日の仕事に関することや出来事、右側には感想とか反省点を書くためである。マンスリーにはその日の勤務時間を書いていくのみ、というシンプルな使い方である。
何故コンパクトなポケットカジュアルなのかというと、単に今年の始めに勝って放置しされていたポケットカジュアルを使ってみたらなんかしっくりきたためである。(割とその時は合わないと思っていた手帳やノートがしばらく休んでいるとある日突然ハマることもあるので、使いこなせないと悩んでいる方は一度手帳を寝かしてみるのもいいだろう)来年はほかの手帳を使うことも考えたが「時間目盛りが付いている」「180度パタンと開く」「コンパクト」というシンプルで使い勝手がいいこともあって来年も結局ポケットカジュアルにすることにした。

以上が来年使う手帳とノートである。雑記帳であるMDノートはともかくとして、手帳として使う3冊はいずれも小型のサイズのものである。ノートはA5サイズ派だが「手帳」の場合はやはりA6かB7サイズぐらいの、小ぶりのものが合うらしい。(にしても自分でもトラベラーズノートにハマるとは思わなかった。人気がある理由も頷けるし、好きなようにカスタマイズできるというのは魅力的だ)とはいえ手帳の使い方とかそもそも手帳自体がまた変わるかもしれない。