2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧
前回の記事に引き続き、今回もスメルジャコフとアリョーシャの『関係』あるいは『交流』についての考察と私なりの解釈を述べていきたい。 部屋に入るなりアリョーシャは、一時間ちょっと前にマリヤ・ゴンドーラチェヴナが彼の下宿に駆けつけて、スメルジャコ…
最近今更King Gnuの『白日』を聴いている。聞けば聞くほど歌詞の内容がスメルジャコフっぽいと感じる。望まなかった誕生、イワンとの出会い、フョードルの殺害、そして自ら命を絶つまでの二か月。特にサビの『真っ新に生まれ変わって~』のくだりが、一番、…
以前BSPで放送されていた『フランケンシュタインの誘惑』という番組があった。この番組はロボトミー手術やスタンフォード監獄実験、ナパーム弾や核兵器といったものまで、科学史の『闇』を扱った番組だった。この番組で最後にナビゲーターが言う言葉がある。…
ある日、何気なしにテレビを見ていたら、某俳優がこんなことを言っていた。 「つらいことがあった時、自分を励ましてくれるのは過去の自分だけだよ」 うろ覚えではあるが、確かこんなことを言っていた。この言葉で思い出したのが、『カラマーゾフの兄弟』の…
タイトルなんのこっちゃいと思われたかもしれないが、当ブログが目指したいスタンスというか『こういう方向性で記事を書いていきたいなあ』という方針についてである。決意表明というほどでもなくかなーり緩い願望ものではあるけれど。 どういうことかという…
私は毎年手帳を買っている。しかしそれを一年間使い続けられたことは実を言うと1回しかない。あとは長くて半年、短いと3か月ぐらいで使うのをやめてしまう。それは何故なのか、ということを自分なりに分析して、記事を書いていきたい。同じ悩みを持つ人たち…
外出自粛と仕事の忙しさと連日のコロナニュースのあまり私の心はやや荒んでいたようで、どうもそれがこのブログの文章にも所々表れている。書いたときは何とも思わないが読み返してみると「何でこんな攻撃的なんだ」と頭を抱えたくなることもしばしばある。…
アリョーシャがフョードル殺害の犯人についてどう思っているかを知らせるのは「あなたじゃない」(第11編5)から遡ること二か月前、イワンがモスクワから戻ってきたときのことである。 この町では最初にアリョーシャに会ったが、話してみて、相手がミーチャ…
『カラマーゾフの兄弟』の主人公、アリョーシャの幼馴染である少女、リーズ。前半は『リーズ』表記だが後半になるとどういうわけか『リーザ』表記になる。小児麻痺で足が悪く、いつも車椅子に乗っているこの14歳の少女は作中で『小悪魔』と言われている。理…
読んだのはだいぶ前だが、今回はスタンダールの『赤と黒』についてちょっと語りたい。というか主に語るのは主人公であるジュリヤン・ソレルについてである。私が読んだのは新潮文庫文庫版の小林正氏の訳だった。 ざっくりした内容はこんなかんじだ。物語の舞…
趣味について「読書」と答えると、たいてい聞かれることは「好きな作家は?」ではあるが、私は以前からこれらの質問の返答にかなり窮してきた。というのも、私には「好きな作家」というものがいないからである。例えば私は『カラマーゾフの兄弟』という作品…
『カラマーゾフの兄弟』における『教唆』といえば、イワンが『父親殺し』をスメルジャコフに『唆かした』ことが挙げられるだろう。(でも私は個人的にイワンがスメルジャコフを『唆した』というのは少し違うんじゃないかとは思っている) 。しかし実は『唆さ…