月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

スメルジャコフとアリョーシャ②

前回の記事に引き続き、今回もスメルジャコフとアリョーシャの『関係』あるいは『交流』についての考察と私なりの解釈を述べていきたい。 部屋に入るなりアリョーシャは、一時間ちょっと前にマリヤ・ゴンドーラチェヴナが彼の下宿に駆けつけて、スメルジャコ…

スメルジャコフとアリョーシャ①

最近今更King Gnuの『白日』を聴いている。聞けば聞くほど歌詞の内容がスメルジャコフっぽいと感じる。望まなかった誕生、イワンとの出会い、フョードルの殺害、そして自ら命を絶つまでの二か月。特にサビの『真っ新に生まれ変わって~』のくだりが、一番、…

メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』

以前BSPで放送されていた『フランケンシュタインの誘惑』という番組があった。この番組はロボトミー手術やスタンフォード監獄実験、ナパーム弾や核兵器といったものまで、科学史の『闇』を扱った番組だった。この番組で最後にナビゲーターが言う言葉がある。…

『自分を励ましてくれるのは過去の自分だけ』

ある日、何気なしにテレビを見ていたら、某俳優がこんなことを言っていた。 「つらいことがあった時、自分を励ましてくれるのは過去の自分だけだよ」 うろ覚えではあるが、確かこんなことを言っていた。この言葉で思い出したのが、『カラマーゾフの兄弟』の…

アリョーシャのようなブログ

タイトルなんのこっちゃいと思われたかもしれないが、当ブログが目指したいスタンスというか『こういう方向性で記事を書いていきたいなあ』という方針についてである。決意表明というほどでもなくかなーり緩い願望ものではあるけれど。 どういうことかという…

何故手帳が続かないのか

私は毎年手帳を買っている。しかしそれを一年間使い続けられたことは実を言うと1回しかない。あとは長くて半年、短いと3か月ぐらいで使うのをやめてしまう。それは何故なのか、ということを自分なりに分析して、記事を書いていきたい。同じ悩みを持つ人たち…

最近の手帳・ノート事情

外出自粛と仕事の忙しさと連日のコロナニュースのあまり私の心はやや荒んでいたようで、どうもそれがこのブログの文章にも所々表れている。書いたときは何とも思わないが読み返してみると「何でこんな攻撃的なんだ」と頭を抱えたくなることもしばしばある。…

アリョーシャの『スメルジャコフ犯人説』について

アリョーシャがフョードル殺害の犯人についてどう思っているかを知らせるのは「あなたじゃない」(第11編5)から遡ること二か月前、イワンがモスクワから戻ってきたときのことである。 この町では最初にアリョーシャに会ったが、話してみて、相手がミーチャ…

リーザの指潰し考

『カラマーゾフの兄弟』の主人公、アリョーシャの幼馴染である少女、リーズ。前半は『リーズ』表記だが後半になるとどういうわけか『リーザ』表記になる。小児麻痺で足が悪く、いつも車椅子に乗っているこの14歳の少女は作中で『小悪魔』と言われている。理…

『赤と黒』

読んだのはだいぶ前だが、今回はスタンダールの『赤と黒』についてちょっと語りたい。というか主に語るのは主人公であるジュリヤン・ソレルについてである。私が読んだのは新潮文庫文庫版の小林正氏の訳だった。 ざっくりした内容はこんなかんじだ。物語の舞…

作品ファン≠作者のファン

趣味について「読書」と答えると、たいてい聞かれることは「好きな作家は?」ではあるが、私は以前からこれらの質問の返答にかなり窮してきた。というのも、私には「好きな作家」というものがいないからである。例えば私は『カラマーゾフの兄弟』という作品…

『教唆犯』スメルジャコフ

『カラマーゾフの兄弟』における『教唆』といえば、イワンが『父親殺し』をスメルジャコフに『唆かした』ことが挙げられるだろう。(でも私は個人的にイワンがスメルジャコフを『唆した』というのは少し違うんじゃないかとは思っている) 。しかし実は『唆さ…