月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

2020-01-01から1年間の記事一覧

逆張りしているわけではないのだが

多分私だけではないと思うのだが、世間ではやっているものにたいして興味がわく場合とわかない場合がある。決して人気や流行を否定しているわけではないのだが、そもそもからして食指が動かないというパターンだ。 この『食指が動く』『動かない』の違いは一…

正直作者には興味がない

『作品と作者は切り離すべき』か否か問題というのは、SNSが発達した昨今では特に根深い問題となっているだろう。例えば作者がひとたび炎上すれば、その『炎上』が作品にまで波及していく。つまり、作品ではなく『作者』で『作品』を評価してしまうことになる…

ミーチャと『空想的な愛』

『他人は変えられないが自分は変えられるという言葉がある。それはある意味ではその通りであるがこの『自分を変える』という行為もまた困難を伴うものである。簡単に自分を変えることができれば苦労はしないし、変れない駄目な人間なんだと思い悩む人も少な…

『覚える』のか『忘れる』のか

私は手帳術やノート術の本を何冊か読んだことがある。 それらの本の中でよく『手帳やノートを書く』ことのメリットとして『書くことで忘れられる』という記述があった。どういうことかというと、自分の頭の中にあるものを書きだすことで頭がすっきりする、と…

万年筆と『書く』愉しみ

ここ最近の記事を改めて読み返していると、内容が暗かったり何かに対して攻撃的だったりとにかくネガティブな要素が多めな気がする(って以前もこんなこと書いたような……)。基本的には自分が書きたいこと、読みたいことを書いていきたいなと思いつつ、なる…

『黒い羊』とイワン・カラマーゾフ

今回は考察と言うよりは小ネタ的な感じなので短めに。 私は2017年の紅白歌合戦のパフォーマンスを見てから欅坂46(現:櫻坂46)が好きになり、彼女たちの楽曲をほぼ毎日聴くようになった。メッセージ性の強い歌詞と曲、彼女たちの曲を届けるためのパフォーマ…

手帳を書かなくても死ぬわけじゃない

私も含めてだが、毎年毎年(下手をすれば毎日?)『手帳が使いこなせない』と思い悩む手帳ユーザーは少なくない。だがそもそも『手帳を使いこなせている』とはどういう状態のことを言うのだろうか。とりあえず思いつく限りを羅列してみる。 ①一年間同じ手帳…

ヴェルシーロフ『聖像真っ二つ』事件と『空想の愛』考

何のことかと言うと、『未成年』にて主人公アルカージイの実父、ヴェルシーロフが聖像をタイルに叩きつけて真っ二つにしたシーンのことである。 「わしはある医師を知っていたが、彼は父親の葬式に、だしぬけに口笛を吹きだした。たしかに、わしが今日葬式に…

手帳術の罠

私はいろいろな手帳やノートを使い、挫折してきた。手帳術やノート術の本を見つけて読み漁りもした。一時期本棚がその手の本で埋まったこともあった。その結果たどり着いた結論がある。 それは『万人に合う手帳術やノート術は存在しない』ということだ。 ま…

2020年の手帳事情 振り返り

本格的に手帳選びの時期になってきたが、今回は、2020年11月現在の手帳事情と来年の手帳をどうするかを書いていきたいと思う。 前回、9月の記事においては、手帳とノートはこうなっていた ・MDノートA5サイズ→ライフログノート兼ネタ帳・Edit方眼ノートA5…

アリョーシャの『仕事』

『カラマーゾフの兄弟』の中で、主人公アリョーシャは様々な人のところを訪れる。ミーチャの婚約者カテリーナ、父であるフョードル、待ち伏せしていたミーチャ、幼馴染の少女リーズ、次兄のイワン、二等大尉のスネギリョフとその子供イリューシャ、毒蛇同士…

坂口安吾『続堕落論』

今回は『堕落論』の続編的なものになる『続堕落論』について書いていきたい。個人的には著者の文章を全部引用したいぐらいなのだが流石にそれやめる。ということで、前回同様に個人的に気になった箇所を紹介していきたい。 最初は著者が生れた新潟のこと『農…

坂口安吾『堕落論』

こんなブログをやっておいてなんだが、私は昔から読書感想文というものが苦手だった。実は今でも苦手である。というわけで基本的にこのブログのレビューは本文から気になった箇所を引用してそれについて自分なりの見解を書くみたいなスタイルである。なので…

コロナ時代における現代が舞台の創作物

今はコロナ禍の時代である。新たなウイルスが新たな時代を作ってしまっている。こうなるとなんかもう元の生活には二度と戻れないような気がしてきた。ウイルスはいなくならないからだ(人類が根絶できたウイルスは天然痘だけである)。もうこれからずっとマ…

迷走

何の話かというとこのブログの話である。 なんというか、ここ一か月ぐらいのブログ記事を改めて読み返してみると、なんというか変な自己啓発本とか世の中に物申すみたいな要するに「意識高い系」な「イタタタタ」な記事ばっかり書いているなあと感じる。しか…

岡本太郎と『一粒の麦』

最近、岡本太郎の『自分の中に毒を持て』を読み終えた。岡本太郎と言えば『芸術は爆発だ』という名言と、大阪万博の『太陽の塔』の人というイメージしかなかったのだが、読んでいくと今の時代にも通じることがいろいろと書かれており、自分自身のこれまで歩…

「バレットジャーナル用ノート」に思うこと

最近カラマーゾフ考察も全然進んでないし読書もカタツムリペースなのでもう手帳文具ブログにしようかなと思い始めた今日この頃。 そういうわけで今日も手帳ネタである。というかノートネタ。最近はバレットジャーナル用とうたったノートがちょくちょく出てく…

2020年の手帳事情(2020.9現在)或いは現在の手帳の使い方についいて

今日は手帳の話をつらつらと。 以前(7月)の記事で、私は以下のように手帳を使っていると書いた。 ・MDノートA5サイズ→バレットジャーナル兼なんでもノート・Edit方眼ノートA5サイズ→仕事用バレットジャーナル・ロルバーンダイアリー→日記・マンスリーの…

『未成年』② マカール老人の『自殺者論』

ドストエフスキーの五大長編『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を一応一通り読み終えることができたわけだが、この5つの小説には必ずと言っていいほど自殺者ないし自殺未遂者が登場する。他のドストエフスキー作品は読んだことがな…

ショーペンハウアーと『大審問官』

以前当ブログではショーペンハウアーの『読書について』(岩波文庫版)について記事を書いた。個人的に『2020年読んでよかった本大賞』一位かもしれない本である。なんせ訳の問題もあるかもしれないが、著者の辛辣ぶりが癖になる……というものあるのだが、読…

ノートのゴムバンドについて

最近読書というものを全然していないので本の感想を書けない。そしてカラマーゾフ考察も全然進んでいない。かといって社会情勢のあれやこれやを語るにはいろいろと知識が不足し手織り考えもまとまっていないので書けない。そろそろ来年の手帳が並び始める季…

自負心の悪魔

ここ一か月ぐらいうだる暑さと仕事のストレスと自身の体調不良でブログを更新する気力をすっかり無くしていた。そして先延ばしにすればするほどやる気と言うものが削がれていき、次第に面倒になっていく始末である。考察ネタもいろいろと書きたかったのだが…

2020年の手帳事情(2020.7現在)

前回上げた『未成年』の記事の続きを書こうと思ったが、いつの間にやら2020年も残り半分を切ってしまったことに気が付いて絶望中。そして今年はいろいろありすぎてもう何がなんだかわけがわからないよ状態。まあ、こんな年もあるよね。 というわけで今年の手…

ドストエフスキー『未成年』①

「ついにやり遂げたよ!」(by神秘的な客)というわけで、一度は挫折して放置していた『未成年』をようやく通読したので、それに関する記事を書いていきたい。これで一応ドストエフスキーの五大長編はすべて読んだことになる。『カラマーゾフの兄弟」→『罪…

『実行的な愛』と『人間の顔』②

先月『未成年』をようやく読み終えたのだが、その中で主人公アルカージイの実父ヴェルシーロフがこんなことを言っている。 「人々をそのあるがままの姿で愛するということは、できないことだよ。しかし、しなければならないことだ。だから、自分の気持ちを殺…

『実行的な愛』と『人間の顔』①

『カラマーゾフの兄弟』においては『実行的な愛』という言葉がしばし出てくる。この言葉が最初に出てくるのは『場違いな会合』にて、娘のリーズとともに修道院にやってきたホフラコワ夫人と、ゾシマ長老のやり取りである。ホフラコワ夫人は『来世』というも…

アリョーシャの『不幸』とスメルジャコフ

臨終の間際、ゾシマ長老はアリョーシャにこう語っていた。 「お前はこの壁の中から出ていっても、俗世間でも修道僧としてありつづけるだろう。大勢の敵を持つことになろうが、ほかならぬ敵たちでさえも、お前を愛することになるだろうよ。人生はお前に数多く…

『カラマーゾフの兄弟』読了一年

私が『カラマーゾフの兄弟』という作品に出会ったのは昨年の五月末だった。以前も触れたがドストエフスキーは名前こそ知っていたもののまともに読んだことはなく、おそらく一生手を出すことはないだろうと思っていた。しかし当時読んでいた読書術的な本に『…

それぞれの『父親殺し』

「お互いにしらを切りやがって。嘘つきめ! だれだって父親の死を望んでいるんだ。毒蛇が互いに食い合いをしているだけさ……父親殺しがなかったら、あいつらはみんな腹を立てて、ご機嫌斜めで家へ帰ることだろうよ……とんだ見世物さ!『パンと見世物』か。もっ…

ノート好きによるノートへのこだわり

わたしはノートが好きである。これまでもいろいろなノートを使ってきた。今回はそんな中でこういうノートが私にとってベストだ!という条件をちょっと書いていきたい。 ①サイズはA5がベストノート術の本を読んでいると、ノートのサイズについて『思いついた…