月宮の日記

読んだ本の解釈とか手帳とかだらだらと自分の考えを好き勝手語っていくだけのブログ。作品のネタバレも普通にあるので注意。※2024/2/29 更新再開

九相図と龍宮城

※短いですがちょっと妄想が強いので畳みます

残花少尉のトラウマと泥努の「期待」

「双亡亭壊すべし」の最大の敵である「侵略者」は主である坂巻泥努が描いた肖像画の中にその人物を引き入れ、過去のトラウマをもとに心を破壊し、その身体を乗っ取っている。泥努曰くこれらは「あいつが勝手にやったこと」らしく、こうした侵入者の排除には…

『醜い』泥努と『龍宮城』

最終決戦にて泥努が自分を醜い、大嫌いだと思っているとタコハは看破した。彼が双亡亭に閉じこもったのは大嫌いな自分を他者から隠すためであると。そうなると何故泥努があのようないかにも売れなさそうな絵しか描かなくなったのかが見えてくる。最初は詠座…

双亡亭がない世界と幼馴染二人の関係について

最終回で凧葉と青一は大正6年の世界へと向かった。凧葉は13歳の由太郎と二か月間絵を描き続けた。その結果由太郎は泥努にはならず、双亡亭は作られない未来ができた。本編世界の泥努は消滅したが別世界の由太郎は救われた。落としどころとしてはうまいとは思…

坂巻しのぶの子供考と泥努の幸せな時代

当ブログの双亡亭考察は主に双亡亭の主坂巻泥努と彼の幼馴染黄ノ下残花の関係についてなのだが、それにあたってwikipedia先生にもかなりお世話になっている。 例えば学校制度も現代と昔ではずいぶんと違っている。1904年生まれの由太郎と残花の時代では、尋…

凧葉真琴と坂巻泥努

『双亡亭壊すべし』における最大の伏線回収はおそらく黒子衣装に身を包む少女、帰黒の正体に関することだろう。詳しいことは本編を参照にしてもらいたいのだが、青一の『キョウダイ』である『マコト』の容姿が泥努そっくりだったこともあり、マコト=泥努で…

泥努と『時の廊下』

以前「泥努が本当に待っていたのは凧葉ではないのか?残花少尉との幼馴染関係はいらなかったのでは?」という記事を書いたのだが、そうなると昭和7年、泥努が残花少尉と再会し、絵に引き込んだときの『笑顔』の理由が説明つかなくなる。某所ではペンネームを…

ブログを書く理由について語ってみた

今回ははてなスターが100超えた記念(?)ということで、考察とか手帳関係の話ではなく、自分が何故このブログを書いているのかということをちょっと頭の整理がてら書いていこうと思う。 私がこのブログを開設したのは2020年の3月。それまではnoteで『カラマ…

泥努が待っていたのは凧葉だったのではないか?という説

※今回はあくまでも「こういう解釈もできるのではないか?」という説であり「これが正しい解釈だ」というつもりはありません。 当ブログでは去年の暮から『双亡亭壊すべし』の考察を始めてきたのだが、実を言うと私自身が残花少尉推しということもあり、また…

『絵』からの脱出方法

新年あけましておめでとうございます。今年も色々と好き勝手書きなぐっていきたいと思います。 ということで新年早々双亡亭考察という名の妄想をしていくことにする。 『双亡亭壊すべし』ではラスボスの坂巻泥努は双亡亭に侵入してきた人たちの肖像画を描い…

泥努と残花少尉の『再会』シーンを読み返す

漫画でも小説でもアニメでも映画でも、繰り返し読み返したり見返すと気づいたり見えてくるものがある。しかし自分の解釈と公式側から出された答えが違うこともあり得る。私が書いている考察や解釈も大外れである可能性が大だ。自分には読み取る力があるとは…

来年もほぼ日手帳続投決定

そろそろ2021年も終わるので今回は来年の手帳の話をしたいと思う。 私が今年使ってきた手帳の中で、これまで何度も挑戦し、そして挫折を繰り返してきた手帳がある。それがほぼ日手帳である。 オリジナル、カズン、weeksと様々なタイプを使ってきた。ある時は…

残花少尉の『土下座』

『双亡亭壊すべし』においては「赦す」ということが重要なファクターとして存在している。それは過去に過ちを犯した自分を「赦す」ことであり、そして自分に対して危害を加えた相手を「赦す」ことであった。 呪詛は身を怨念に浸し、全霊を込めて行うものじゃ…

よっちゃん残ちゃんと縁側の家

ここ最近双亡亭考察もといよっちゃん残ちゃんの幼馴染考察しているのだが、一応断っておくとあくまでもこれは私個人の考えというか妄想である。(過去のカラマーゾフ考察もそうだけど)。作者の意図とは違う読み取り方をしている可能性もあるし、考察そのも…

なんにもこわくない

本作のラスボスであり『侵略者』を支配し、自衛隊を全滅させるほどの力を持ち、双亡亭においても時を操ったりつなげたりとやりたい放題やっている(ただし全て自分が絵絵を描きたいためである)泥努は心の奥底では「最高の絵が描けないまま孤独に老人になっ…

絵描きの恐怖と竜宮城

主人公、凧葉が双亡亭の主である坂巻泥努との初邂逅でこんな会話を交わしていた。 「お前の最も恐ろしいものはなんだ?」「……たぶん アンタと同じだよ…」(双亡亭壊すべし 第三巻) この「恐ろしいもの」が発覚するのはそれから20巻ほど後のことになる。泥努…

バレットジャーナル2冊使い

11月に入ってそろそろ来年の手帳を決める時期になってきた。文房店や書店に行くたびに「この手帳いいなあ」「このノート使ってみようかなあ)と思いながら手に取り、ペラペラめくって使い方をあれこれ考えて「やっぱりやめよう」と戻したりしている。魅力的…

泥努と巨大な『絵』

『双亡亭』の主、坂巻泥努には90年描き続けていた『絵』があった。その『絵』は泥努のアトリエにあり、巨大なカンヴァスに描かれたものであった。未完成のうちは何が描いてあるのか判らない絵であった。しかしそれはただの『絵』ではなく『侵略者』が地球に…

昭和7年の双亡亭(※最終巻ネタバレあり)

坂巻泥努は双亡亭とともに消滅した。しかし別次元では幼い坂巻由太郎は凧葉によって救われた。 文句がつけどころのなくきれいに終わっているのだが、だからこそ一つ疑問点というか気になるところがある。 それは「残花少尉と帰黒が帰った時代の双亡亭はどう…

新たに『双亡亭』考察を始めてみる

以前の記事で「双亡亭壊すべし」にハマっているということをちらっと書いたが、作品が完結したこともあり、読み返すたびに自分の中で語りたいことや考察したいことがどんどん出てきたのでちょこちょこと語っていこうかと思う。 とはいえこのブログでは作品全…

「私らしく」って何ですか

アクセス解析を見たら前日のアクセスが急に伸びていてびっくりした。そのおかげでブログ開設から1年あまりで1000PVを達成してしまった。消そうかどうか迷ったブログではあるが、これからもマイペースに亀更新を続けていきたいと思う。今回は下書きに書いたも…

過去のノートや手帳を捨てて後悔した話

私はかれこれ4年ほど前からノートを書き綴っている。最初はいわゆる創作ノート的なものであったが、徐々に勉強したことや思いついたこと、読書感想などを書く「なんでもノート」へとシフトチェンジしていった。そして日記。これもかれこれ5~6年ほど前からず…

コロナワクチンを打った

需要があるかどうかわからないが一昨日、私も新型コロナウイルスワクチンの2回目接種を終えたのでそれについてまとめておこうと思う。ワクチンは「モデルナ」。正直説明のパンフレットを貰った時は「こんなもん打って大丈夫なのか」という不安はあったのだが…

ノートを手帳化させることのデメリット

何だかネガティブなタイトルになってしまったが赦していただきたい。 そろそろ来年の手帳を考え始める季節になってきた。(え、まだ早い?)どんな手帳を使うか悩むこの時期が結構楽しかったりするのだが続かずに途中で挫折してしまう…というパターンもある…

2021年の手帳事情というかほぼ日手帳のこと

今年も残すところあと4か月弱となった。早すぎるだろ… ということで今回は現状の手帳とノートの運用について書いていこうと思う。 仕事→バレットジャーナル(モレスキン)、ロルバーンダイアリーMプライベート→MDノート、ほぼ日手帳 …あれ、ほぼ日手帳は使わ…

推しフィルター

もうずーっとブログを更新していなかった。その理由は実のところとある漫画にハマってしまったからである。サンデーで連載しており現在は完結した『双亡亭壊すべし』という漫画なのだが気が付けば単行本は1巻から揃え、サンデー本誌で展開を追いかけて全巻揃…

逆張りしているわけではないのだが

多分私だけではないと思うのだが、世間ではやっているものにたいして興味がわく場合とわかない場合がある。決して人気や流行を否定しているわけではないのだが、そもそもからして食指が動かないというパターンだ。 この『食指が動く』『動かない』の違いは一…

正直作者には興味がない

『作品と作者は切り離すべき』か否か問題というのは、SNSが発達した昨今では特に根深い問題となっているだろう。例えば作者がひとたび炎上すれば、その『炎上』が作品にまで波及していく。つまり、作品ではなく『作者』で『作品』を評価してしまうことになる…

ミーチャと『空想的な愛』

『他人は変えられないが自分は変えられるという言葉がある。それはある意味ではその通りであるがこの『自分を変える』という行為もまた困難を伴うものである。簡単に自分を変えることができれば苦労はしないし、変れない駄目な人間なんだと思い悩む人も少な…

『覚える』のか『忘れる』のか

私は手帳術やノート術の本を何冊か読んだことがある。 それらの本の中でよく『手帳やノートを書く』ことのメリットとして『書くことで忘れられる』という記述があった。どういうことかというと、自分の頭の中にあるものを書きだすことで頭がすっきりする、と…